133.ソウルステーション パンデミック

を観た。

「新感染」の前日譚らしいんだけど…。この作品がどう「新感染」に繋がっていくのかが分からない。この作品の時点で軍隊がこれだけ出動してるなら、「新感染」の主人公は朝のニュース番組やインターネットを通じてこの事件を知ってるはずだし、何より電車なんて動いてるはずがない。どうせ「前日譚」をやるなら、ゾンビが生まれた原因にスポットを当ててほしかった。はっきり言って不要、それどころか「蛇足」な作品。

それに「新感染」と繋げるなら、どちらもアニメにするか、実写にするか統一してほしかった。これじゃ、当初は作るつもりなかったけど「新感染」がバカ受けしたから便乗して慌てて作りました。と言ってるようなもの(のような気がする)。実際、アニメの質も70年代のアメリカアニメくらいのレベル。ゾンビなんて全く怖くない。皮肉なことに「新感染」のゾンビの出来映えの良さが、今回のアニメの低レベルさをより一層際立たせる結果になった。

更に言えば「新感染」の良さは、ひたすら電車という「密室」でホラーやアクションに徹したこと。「電車」という限られた空間、またスピードや時間などで主人公達から「自由」を奪ったところに面白さがあった。そして余計なことを考えずに楽しむことが出来た。ところが今回は、ソウル市内逃げ放題だし、様々な社会問題にも中途半端に触れている。そこもつまらなく感じた要因だと思う。

この作品を楽しむなら、「新感染」とは完全に別物と割り切る必要があると思う。比べるからおかしくなるし、そういう演出が間違いだったんだと思う。