ペイ・ザ・マン
某外装業者の某氏(某としたのは氏の奥方にバレない為の配慮)。
一つ歳上で大の競馬好き。
現場で僕を見つけると百万ドルの笑顔で近づいてきて競馬談義を始める。
作業中だろうがお構い無し。
だいたい、この人と仕事の話をした記憶が殆どない。
愛すべき男である。
先日、そんな氏から意外な一言を聞く。
「六さん、俺さ馬を買ったんだよ。」
はい?
そんな儲けてるの?
収入は大して変わらないでしょ?
それ以前に審査が厳しいんだから、あんたのようなゴキゲンな遊び人が通るはずが…
「いやいや、一口馬主だら。」
あっ、そっちね。
と、一口数万円程度で購入出来ると盛んに僕に「営業」してきたのと、血統にうるさい僕のアドバイスを求めてきた。
まだまだ買うつもりらしい…
アドバイスを聞いている氏の表情からはいつもの百万ドルの笑顔は消えていた。
真剣に僕の話に耳を傾けていた。
仕事中にも見たことない表情…
レースの予想についてあれこれ話すのに加えて今度は馬の買い目まで話さなきゃならんのか…
あの〜、僕忙しいんですけどね(苦笑)
【本日の一枚】
デヴィッド・リンドレー「化けもの」1981年